
1993.3 朝日ソノラマ・刊 ¥2,200 06.4.11 読了
著者の鳥海永行(Toriumi Hisayuki)さんは1941年、横浜生まれ。
アニメーションの監督さんだそうです。本書以外にも「黄金の国から来た男」「南国水狼伝」などの小説作品があるとのことです。
時は9世紀の平安時代です。
桓武天皇によって開かれた(794)平安京は、他氏との競争から勝ち上がった藤原氏が、南、
北、京、
式の四家に分かれ、今度は藤原氏同士の争いの中で、北家が勝ち残った頃の話です。
当時の藤原氏北家のチャンピオンは
良房。長兄の長良はボーッとしていて、弟の遥か後塵を拝している有様。
この良房が血族の娘達を入内させることによって、さらなる権力の伸長と存続を図ろうとするのを縦糸に、平城天皇の孫でありながら、臣下に降りた
在原業平(父は当たり前ですが平城天皇の子、
阿保親王・・・昔、高校の日本史の試験で阿呆親王と書いた友人がいました。ABOとAHOじゃ大分違いますね)や、薬子の変で憤死した
藤原薬子(くすこ・式家、平城天皇の愛人)の死霊に育てられた
藪童子(表紙絵の男)らが横糸として絡み、物語が展開されます。
実は、この藪童子、妖術使いなんですが、高貴な血筋の業平を利用して藤原良房ら北家を倒そうと図るのです。また、
伴善男(とものよしお、覚えておられますか?やはり昔、日本史で習いましたね。
応天門の変・・・というのがあったでしょう。)も、名族大伴氏の直系として、勢力挽回のための画策を色々と続けます。
藪童子が出現するシーンは殆ど
「陰陽師」の世界ですが、史実を基に、想像力とアニメ的手法?を駆使した、壮大な王朝絵巻を作り上げた著者の力量は侮れません。あっと言う間に読了してしまいました。